入れ歯は患者様のお口の状態によって、一人ひとりふさわしい形態が異なるため、ひとつとして同じものはできない治療です。例えば次に挙げるような理由によって、その形態は変わります。
さらに
によっても適切な大きさや厚みが変わってきます。
それに加えて、患者様のご要望やお悩みも以下のように人それぞれです。
一見、似ている症例に見えても、患者様にとって本当に使いやすい入れ歯は一人ひとり異なります。100人の方がいれば、100通りの入れ歯の作製が必要になるのです。
そのため当院では、たとえ似た症例であっても画一的な治療は行わず、患者様一人ひとりに合わせて一から設計し、こだわりのフルオーダーメイドの入れ歯をお作りしています。
入れ歯治療を始める前に、「どのような入れ歯が患者様に合っているのか」を把握するため、カウンセリングを行っています。カウンセリングでは、トリートメントコーディネーターが以下のことを患者様に伺います。
入れ歯治療は、患者様との信頼関係がなければ成功しません。患者様の趣味や好きなもの、性格など多くのことを知らなければ、良い入れ歯は作れないのです。
そこで当院では、治療の開始前だけでなく、治療が始まってからも患者様とたくさんお話をしています。治療の過程でも、入れ歯の装着感などを細かくヒアリングするのは、一人ひとりに合わせた入れ歯をお作りするためです。
「今どのようなことでお悩みなのか」「どんな入れ歯をご希望なのか」について、問診票を使いながら丁寧に聞き取りを行います。そうすることで、今のお口の状況はもちろん、将来のお口の状態までも考慮した入れ歯のご提案が可能になります。
治療の過程では、大変なこともあるかもしれません。しかしそれをご一緒に乗り越えた先で、患者様に本当に合った入れ歯が完成します。
そんな入れ歯をお口に入れたとき、「今まで食べられなかったものが食べられるようになった」「入れ歯を入れているのがわからないくらい一体感を感じる」など、お喜びになる方がたくさんいらっしゃいます。さらに、お顔が若々しくなったり、肩こりや腰痛がなくなったりと、全身の健康に良い影響が出るケースも少なくありません。
ご自身のお口にしっかりと合う入れ歯を作ると、治療後は3~4か月に1回程度の通院で済みます。その際は、咬み合わせの簡単な調整や、筋肉状態の確認をするのみ。入れ歯の完成後に心身のご負担が軽減されるのは、患者様と歯科医院がしっかりと協力しながら治療を進められたことの証でもあります。
「お口のお悩みを解決し、ご満足いただける入れ歯を」私どもは常にそれを心がけ、日々の治療を行っています。
当院では、主に患者様のお話をお聞きする「トリートメントコーディネーター」、実際に入れ歯を作製する「歯科技工士」、そして治療工程を統括する「歯科医師」がチームを組んで入れ歯治療を進めていきます。
プロフェッショナルがタッグを組み、それぞれの役割を全うし、入れ歯治療を進めます。だからこそ、患者様のご希望を叶えられるような、お口に合った入れ歯のご提供が可能なのです。
咬みやすく違和感の少ない入れ歯を作製するには、生まれ持った歯があった頃のあごの位置や咬み合わせを、「どれだけ再現できるか」が重要です。
そこで、咬み合わせの位置をより正確に把握し再現するために「BPS(精密義歯)システム」を採用。これにより、精密な型どりや咬み合わせの分析が可能となりました。
BPS(精密義歯)システムは、お口の型どり方法に特徴があります。
一般的な型どりはお口を動かさずに行いますが、BPSシステムではお口が動いている状態で型をとります。「動いている状態」とは、例えば食事をしたり話をしたりするときのお口の動きのことです。
この型どりの方法を「閉口機能印象(へいこうきのういんしょう)」と呼びます。粘膜や筋肉の動きまで含めた型どりができるため、入れ歯と粘膜の間がピッタリと合う入れ歯をお作りできるのです。
さらに私どもは、型どりの際に使用する「型どり材」にも工夫を凝らしています。通常の素材を用いるのではなく、変形の少ないシリコン製の特別な型どり材を、用途に合わせて3種類使用。より精密な型どりを実現させています。
咬み合わせの位置を正確に把握するために、当院では「顔面計測」を実施しています。これはその名の通り、お顔の各部を測る検査です。
通常、ほとんどの方は「目から唇までの長さ」と「鼻の下からあごの先までの長さ」が同じです。この長さを基準にすることで、咬み合わせの高さを決めやすくなります。
さらに患者様に若い頃のお写真をお持ちいただき、顔面計測で得られた数値と合わせて、分析と微調整を実施。歯があったときの咬み合わせの高さを再現できるようにします。
また、「個人トレー」という器具とシリコン製の型どり材を使用して、咬み合わせの型どりも行っています。これにより、お食事など「咬む」動作を行った際の、「自然に咬んだ状態」での咬み合わせの把握が可能です。
私どもが、なぜこれほどまでに「咬み合わせの位置・高さ」や「実際の咬む動作」を重要視するかというと、「咬む力」を発揮するために重要な情報だからです。検査で得られた情報を入れ歯作製に反映させることで、咬みやすくて違和感の少ない入れ歯が完成します。
こうして作られた入れ歯は、咬み心地が格段に改善しやすいほか、お顔全体が若々しく見えやすいというメリットもあります。
BPS(精密義歯)システムによって作られる入れ歯「BPSデンチャー」の作製にあたっては、まず治療用の入れ歯(リハビリデンチャー)を最初にお作りし、それを3~6か月間お使いいただくことがあります。
リハビリデンチャーは、正しい位置で咬めるよう粘膜や筋肉、舌の状態などの咬み癖をトレーニングして修正するためのリハビリ用の入れ歯です。
お口の筋肉の機能は、食べ物などを飲み込む機能(摂食嚥下/せっしょくえんげ)と密接な関係があるため、これらの機能が正しく働くようになると、身体が本来持っている「咬む力」や「飲み込む力」を発揮しやすくなるのです。このような期間を経てお口の状態が良くなったら、その段階で新しい入れ歯を作製します。
精密な型どりや咬み合わせの綿密な分析、お口の環境作りなどは、どうしても手間と時間がかかる工程です。しかし、実際にお口に入れた後のことまで考えて作られた入れ歯なら、咬みやすさ・外れにくさなどの面で、患者様に喜んでいただける品質が実現できます。
その品質を目指すのが、当院のこだわりを持った取り組みです。そしてそのこだわりは、入れ歯が完成した後にも活かされています。
入れ歯治療では一般的に、完成後に微調整が必要になるケースが珍しくありません。その点私どもなら、完成までに徹底した型どりやお口の環境作りを行っているため、新しい入れ歯ができた後の調整も少なくて済むのが特徴です。これは患者様にご来院いただく回数の減少にもつながり、実質的なご負担を抑える効果も生んでいます。
このように、患者様のご負担をできるだけ軽減するような入れ歯治療に取り組んでいます。
入れ歯や歯のつめ物・かぶせ物は、歯科技工士という専門家が、歯科技工所でお作りします。技工士や技工所にはそれぞれ得意分野があり、入れ歯が得意な技工所(技工士)もあれば、つめ物やかぶせ物が得意な技工所(技工士)もあります。
当院では、入れ歯の作製が得意で実績も豊富な技工所に依頼しているため、より質の良い入れ歯の作製が可能です。
私どもが提携しているのは、入れ歯作製で有名な「近藤義歯研究所」という技工所で、ここには「ワールドBPSデンチャーコンテスト」という大会で入賞した2名の歯科技工士が在籍しています。ワールドBPSデンチャーコンテストとは、入れ歯のワールドカップのような大会で、世界中から入れ歯の作製技術を競うべくエキスパートが参加します。2,262名が参加して入賞者が12名、うち2名が近藤義歯研究所に在籍しているのです。
歯科技工士は、歯科医師と並ぶもう一人の入れ歯の専門家です。私どもでは、しっかりした技術力を持つ技工所と提携し、歯科技工士と密に連携をとり、細かな要望を入れ歯に反映しています。そのため、より精密な入れ歯をお作りすることが可能です。
入れ歯は、型どりによって患者様のお口の中を再現した模型をもとに、歯科技工士が作製します。
つまり通常は、歯科技工士が患者様のお口の中を直接見る機会はありません。しかし模型だけでは頬や唇、お口の内側にある粘膜の状態までの把握は困難であり、お口にぴったり合う、咬みやすい入れ歯を作れないケースもあり得ます。
そこで当院では、歯科技工士が入れ歯の診療に立ち会うようにいたしました。
このような情報を元にお口に合った入れ歯の型を導き出します。
また、技工士が患者様から直接ご希望を伺えるので、よりご満足いただける入れ歯作りにもつながります。確かな技術力を持つ歯科技工士が治療に立ち会い、入れ歯治療を進めていくため、お口に合った快適な入れ歯作製を目指せる仕組みです。
入れ歯の治療は「作って終わり」というわけにはいかず、治療終了後も定期的なメインテナンスが重要な意味を持つています。
お口の中の状況(歯ぐきの状態、あごの骨のやせ具合、舌の位置など)は毎日変化するため、入れ歯を長く快適にお使いいただくには、お口の変化に入れ歯を合わせる必要があります。お口に合っていない入れ歯を長く使用していると、残っている歯にも負担がかかりやすく、歯が弱くなってしまう恐れがあるためです。
そこで私どもの歯科医院では、定期健診の際にお使いの入れ歯をお持ちいただき、お口の中の状況を確認した上で調整を行っています。ほんの少し調整するだけでも咬みやすくなったり、咬むときに痛まなくなったり、残っている歯への負担がかかりにくくなったりすることが多いからです。
毎日使う入れ歯だからこそ、患者様ご本人が気づかないうちに、お口と合わなくなっているケースも少なくありません。当院では患者様が気づかない小さな異変も見逃さないように、定期健診を行っています。入れ歯をお使いの方は、ぜひその入れ歯をお持ちになって、定期健診にお越しください。
お口の中に残っている歯がある場合、入れ歯だけでなく歯のケアも行う必要があります。残っている歯の健康が、入れ歯を長く快適にご使用いただくには重要だからです。
私どもでは患者様の歯をしっかり守るために、歯科衛生士が残っている歯について、歯周病にかかっていないか、かかっている場合はどのような状態なのかを入念にチェック。その上で歯のクリーニングをするとともに、ご家庭でのケア方法のアドバイスもいたします。さらに、虫歯のリスクの高い方には、予防効果のある「フッ素塗布」を3か月に1回行っています。
メインテナンスを定期的に行っていれば、衛生士がお口の中の変化にも気づきやすくなり、よりきめ細やかなケアの実現が可能です。当院がメインテナンスに力を入れるのは、患者様にお口の健康を維持し、入れ歯を長く快適にお使いいただきたいからなのです。
入れ歯は実際に食事をして咬めなければ意味がありません。そのため、私どもの入れ歯治療では「食べる度チェック表」を活用しています。
今お使いの入れ歯でどれくらい咬めているのか、新しくした入れ歯ではどうか、でき上がった入れ歯を長くお使いいただく中ではどうか、といった「どれくらい咬めているか」というポイントに対し、このチェック表で咬むレベルを数値化。感覚だけでなく数値化して見られるので、どれくらい咬めるようになったのかを実感いただけるのではないでしょうか。
また同時に、お口の変化で無意識に咬みにくくなっていることがあれば、このチェック表を利用して把握できます。
このように当院では、「食べる」際の実際の使用感を重視した入れ歯治療を行っております。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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午前:9:00~13:00
午後:14:30~18:00
休診日:日曜・月曜・祝日
午前12:30/午後17:30最終受付